イベント報告

第8回みたけ山山岳マラソン!
8th Mitake Mountain Trail !!
2007年12月9日開催


■みたけ山岳マラソン  松丸真幸
御嶽神社境内のゴール地点の様子第8回みたけ山岳マラソン。健康ブームなのか、過去最高の参加者数920人。私は、第2回大会からきている。気候が、昔に比べると、ずいぶんと暖かくなってきている。ここに訪れると地球温暖化が進んでいることがよくわかる。

レース前日、滝本駅から、きつい傾斜をグイグイ進む名物ケーブルカーに乗って御岳駅へ。陸の孤島と呼ばれる御岳山で宿泊。

レース当日の天候は晴れ、絶好の大会日和。毎度、お馴染みのエアロビクスでウォーミングアップ。今年は、2回に分けてスタート。私は第2ウェーブからのスタート。火曜日に左足を捻挫してしまったので、今日は自重して走ることにした。そして、スタート。いきなり始まる激坂を駆け上がる。追い込んで走ってはいないが、この坂は何度登ってもきつい。足の調子は悪くないが、ときどき痛みがはしる。

脚をかばって走る松丸選手、スイムとバイクが加わると速い!10分前にスタートした第1ウェーブの参加者を次々と抜かしていく。上り坂を順調に進み、次は長い下り。いつもはすばやく駆け下るが、足が痛いのでとても遅い。小さな小石を踏むだけでも、足を捻ってしまう。今日はもう無理をするのはやめようと判断。この後、「ロックガーデン」と呼ばれる石の庭へ。景色は良い。神秘的だ。だが、今日は余裕がない。足を痛めないように慎重に進む。


珍しいメダリストの缶入りその後、このコース最大の難所である「アクバ峠」を登って、きつい崖下りへと。ゆっくり下る。ここは、本当に痛い足にはこたえる。やっとの思いで下り終えて、最後のみたけ神社へと進む。階段を淡々と登ってゴール。悪いわりには、総合20位と、うまくまとめられて満足。

レース後は、ゴールしてくる参加者にメダリスト缶ジュースを配った。酸っぱいとか美味しいなどの声を聴いた。これからもメダリストをもっと広めていきたい。良いプロモーション活動になった。樹齢1000年の神代欅に別れを告げて、ケーブルカーで下山した。



■参加レポート 原 広志
イチョウの巨木の傍からスタートする選手の一団第8回目となる、念願の「みたけ山山岳マラソン」に初めて参加させていただきました。


天気も朝から快晴で朝日が素晴らしく暖かいと思いきや、やっぱり御岳の冬は寒いです。今回は、エントリー数が900名を超えたために9時30分と9時40分の2ウエーブスタートのこと。

選手の荷物運搬の関係でスタート時間が10分繰り下げになり、私は2ウエーブ9時50分の太鼓の音に後押しされスタートしました。3kmの急坂(この坂、高低差が400mもあるのです!!)は歩かずに走って登ろうと心に決めていたので「ゼイゼイ」と声と鼻水を出しながら上ります。しばらくすると頭の上にケーブルカーの赤い鉄塔が(うん、まだ半分くらいしかきていないよ)「よし」と、気を取り戻しもうひと踏ん張りだ。

やっと登りきり、御岳平へ向かう途中でケーブルカーで上がってきた人たちがすれ違いに皆応援してくれるので感謝。御岳平で給水を受け大塚山(920m)へ向かう、山頂からの下りは非常に気持ちよく走れる(実は、昨日私が山頂から下りのコース上の落ち葉を熊手で清掃したのです)。そんな自画自賛をしていると、ふくらはぎに異変が「攣ってる」仕方がないので「ふくらはぎ」を伸ばした状態で走り続ける。

ビジターセンターの前を通りお土産屋さん手前の登りに苦しみながら、山門を抜ける。長尾平〜ロックガーデンへと続くと下りは走っていて気持ちがいい(気分的に気持ちはよいが、ふくらはぎは攣ったままである)石、岩をよけながら走る。ロックガーデンに入り渓流、滝の景色を見ながら(今年は紅葉が遅いのかな)走れないので早歩きし、何の支障もない場所で岩に躓き転倒する。


攣った脚を引きづりアクバ峠を上る原選手(赤いベスト)芥場(アクバ)峠を這うように登り鍋割山(1084m)へ向かう。このころから足の状態がよくなり鍋割山頂上までの尾根道(視界が広がり遠くの景色がよく見えます)、山頂からの下り・奥の院までの尾根道が気持ちよく走れる。奥の院(1077m)からの降りはなかなか気持ちがよいものです(猿か鹿になった気分)。

残りは2kmくらいですが、平坦そうに見える緩やかな登りが続き長尾平を右に見ながら止りそうな走りが続きます。
御嶽神社の階段を最後だと思い、ゆっくりでも走ってゴール。

1時間37分34秒、186位、私の初めての「みたけ山山岳マラソン」が終わりました。
主催者スタッフの皆様、ボランティアの皆様ありがとうございました。来年からも選手で参加させていただきたいと思います。



■# 444 Mark Feeley 1:27:01 72nd overall
強豪集団、南蛮連合のMark選手I thought the course was great and I just tried to relax and enjoy the scenery. After 45 minutes I was surprised to see a sign for 5km to go. I felt too good and thought I hadn't been pushing hard enough. There was a lot of climbing in those last 5km though and I was definitely tired at the end.

When Jay and Keren said the course was tougher than Takao, they had me worried. As it was I enjoyed the whole course, except the steep down hill near the end. I came down very gingerly as loads of runners flew past me.

I think out of the Takao, Jinba and Mitake races, Mitake has the most climbing, but also possibly the best scenery. I've hiked and ran this area a lot, but a lot of the course was new territory for me. I loved the temple finish, which reminded me of Ohyama. I just about managed to take the steps two at a time up to the finish. The onsen at the end was also a nice touch. The organization was perfect and the support along the course was great.

鍋割山に向かう選手たちI think the support really adds to the atmosphere/experience and ever since I ran alongside Bob at the Ome marathon a couple of years ago I have made it a policy of mine to acknowledge all race support with a smile and an "arigato". At Ome, Bob not only kicked my ass, but did so whilst waving to all the support along the way.

The weather was also great. It was a bit chilly hanging around at the start, especially as I chose to wear shorts and not tights, but I figured I would quickly warm up when we started. Overall, a great race and a great experience.

My next planned races are the Frostbite half marathon at Yokota base, followed by the Ome marathon



■# 926 Jay Johannesen 1:28:22 - 78th
激坂、アクバ峠を上るJay選手I certainly recommend the Mitake Marathon. I particularly recommend it to visitors to Japan seeking a quintessential Japan athletic experience. Mitake contains a number of wonderfully Japan running elements:

1. A brutal climb - Other countries have hill climbs, but a 1,000 people at an obscure local race on a December morning?

2. Scenic - Where else in the world does a course takes participants through a Rock Garden where we leap from rock to rock, past waterfalls and moss-covered stones, and along ridges with sweeping views of a city's 30 million residents?

3. Crowd support - People of all ages in the most remote areas yelling out the ritual words of polite encouragement: "nice fighto desu" and "gambatte kudasai"

4. Shinto Shrines - The marathon finishes at the 2,000 year old Musashi-Mitake Shrine

5. Onsen - This is the real cool part of the Mitake experience. All participants’ race numbers correspond to one of the numerous onsen near the finish line. After a hard trail run on a brisk December morning everyone is welcomed at an atmospheric inn, and within minutes of finishing the run is soaking in a steaming hot springs bath.


ロックガーデンを目指して走る選手I did OK. The first couple kilometers are absurdly steep, but since they are the first few kilometers of a race everyone runs hard. I decided it would be almost as fast to walk. My thinking was I would pick it up when I got to the top.

Unfortunately we ran into the tail end of the first wave, so I could only pick up the pace so much. But this allowed me enjoy the scenery more. I had been warned about the steep downhill plunge at 13k, but it did not seem so bad. I held onto the support ropes as much as possible on the way down to avoid plummeting to my death (or at least avoid the embarrassment and bruises Eric Fitzpatrick suffered coming down this cliff last year).

Bizarre as this might sound, I was disappointed to realize the race was ending. I actually wanted to run farther. Partly because I felt I had energy and could pass more people. Partly because I was simply enjoying the course. Somehow the varied terrain of a trail run allows me to run much farther than a flat paved course. I hope to do the Ome-Takamizu 30k trail run on April 1st.



■# 921 Keren Miers 1:30:26 - 104th
黙々とアクバ峠を上がるKeren選手I had not intended to this is great Mitake trail race again this year. But I found myself on a 6:16 train the morning after the annual Namban Rengo bonenkai. And there was some early panic as even though Jay Johannesen had left the party early, he missed the train that we were going to link up on and arrived at the foot of Mitake-san only 30 minutes before the start. But I was able to register for him as well.

I went 1:30:27, which was only 18 seconds slower than my time from last year. But I was very content with this time in a tough race that I had decided just to cruise through, and it felt much easier than last year.

And due to the large number of entries this year they broke the field into two waves of 500 (10 minutes apart and non-seeded) and unfortunately for Jay and I we were in the 2nd wave. This meant that after about 1km we had to continuously thread our way though back markers from the 1st wave. With the trail being very narrow and rough in sections, it was difficult to pass others which sort of slowed us down.


激坂、アクバ峠を歩く選手の集団All in all it was a perfect, cool and clear day in a very scenic mountain area. The race organization is impeccable and the hot bath after the race at a mountain minshuku only adds to the experience.

Very glad that I did the race again this year, it is now one of my favorite races, along with the Ome Takamizu 30k trail race and the Ohyama Hill race. My thanks to Onishi-san and the KFC for a great race. The trainers (sweat shirts) were very good as well.


My next race is the Kanagawa half marathon in February, followed by the Tokyo Marathon.



■KFC徒然豪華な料理が次から次へと出て来る!!
KFCトライアスロンクラブにとって「みたけ山山岳マラソン」は1年間の最後となる楽しみなイベントである。御岳の人たちとの付き合いももう8年になり、すっかり顔見知りになった。このレースがなければ知り合うこともなかったであろう。


【お気に入りのお宿】
KFCスタッフや毎年参加してくれる松丸真幸選手も前日から御岳山の宿坊に泊まり込み、翌日のレースに備えるのである(こんな風に書くと緊張感が滲むが、夜はゆっくり温泉につかって美味しい料理を堪能するのである。御岳の宿は本当にオススメです)。

皆さん、ぜひ一度、山の上の宿坊に泊まって、のんびりと御岳山の自然と堪能しに来て下さい。いいものですよ。


【役目は追い上げ】
恒例のエアロビでウォーミング・アップ!!今回の私の役割は「追い上げ」である。「追い上げ」は最終ランナーの後ろに付いて走るのである。私自身ランナーではあるがレベルは平均以下という感じなので大丈夫かなという不安はあったが、引き受けることにした。

選手が増えたこともあり、今年からスタートが10分間隔の2ウエーブ制となった。私は第2ウエーブのスタート後、最終ランナーの後ろにくっついて全コースを回ることになる。念のため、水とパワーバーをいくつかリュックに詰める。御岳のスタッフがくれた大福2個は自分がゴールに着いてから食べるのを楽しみにして持って行くことにする。

9:00からケーブル滝本駅駐車場で恒例のエアロビクスでウォーミングアップの始まりです。これで全選手、レース・モードにスイッチオンとなるのです・・・が、今年は音楽のカセットが壊れていてイマイチ盛り上がりに欠けました。(皆さん、すみませんでした。来年は新しいものを買って準備しておきます。)


【追い上げの不安】
スタート直後の激坂を歩く選手の列さて、9:40にまず第1ウエーブがスタート。予定では9:30スタートであったが、荷物預かりに時間が掛かったため、10分遅れとなった。スタート会場の滝本駅(標高424m)は谷間にあるので、本当に寒い。選手も早くスタートしたいという気分だっただろう。スタート直後の勾配はかなりきついのだが、先頭の方の選手は凄いスピードで駆け上がっていく。この後ひたすら登りが約3kmほど続くのであるがこんなんでもつのだろうか、というスピードである。後ろの方の選手も皆走っている。やばい・・、追い上げが一人ちぎれた状態になったらどうしよう・・。



いよいよ第2ウエーブ、9:50のスタートである。竹内市長のスタートの合図でカラフルな集団が動き出す。選手が通り過ぎるのを待って、さあ私も出発だ。

早速一番後ろの男性ランナーに話しかけられる。「追い上げって何だかやな言葉ですねぇ。はっはっは・・」選手から見るとそうかもしれないなぁ。何か良い言葉ないですかねぇ。


【孤軍奮闘の追い上げ】
一路、大塚山へ向かう選手たち上を見上げるとつづら折の道を選手の列が延々と続いている。走っている選手、歩いている選手。しばらくして女性ランナーに追いつく。もうお孫さんもいるそうだがとても元気である。「マイペースで行きましょう。」と声を掛けしばらく並走(並歩)する。

1/3ほど登った辺りで、道端の木に腰掛けている選手らしき人がいたので、「大丈夫ですか?」と聞くと睡眠不足でちょっと体調不良らしい。少し休んでゆっくり歩き出す。雑談しながら延々と坂を上る。どうやらトライアスリートでアイアンマンチェジュにも出たらしい。体力ありそうな感じである。

ケーブル御岳駅前(標高824m)のエイドで給水すると調子が戻ってきたらしく、「走ります!」と言って大塚山(920m)方面へ走り始めた彼に、私はちぎられそうになり慌てる。そこへ逆走してくるリタイヤ選手が3名ほど。ゴールへの道案内をし、先を急ぐ。途中道々すれ違う登山客から選手と間違えられ「がんばって〜」と応援を受け、分岐に立つスタッフに「追い上げです(最終ランナー通過したので撤収して下さい)」と声を掛けつつ最終ランナーを追う。


ロックガーデンを駆ける選手鳥居前広場のエイドで御岳スタッフから「もう先頭はゴールしましたよ」と聞いてビックリ。こっちはこれからという感じなのに。ロックガーデンに下りる分岐まで、帰って来る選手たちとたくさんすれ違う。みんな苦しそうだ。「頑張って下さい!もう少しでゴールですよ〜」と声を掛けながら走る。

ロックガーデンのあたりで女性ランナーに追いつく。一番最初に会った人だ。お腹が空いたようで大福を一つあげた。その少し先、ふと見ると沢沿いのベンチに腰掛けてなんか食べてる女性2名を発見。念のため「選手ですか?」と確認すると「はい」と返事が帰ってきた。え?関門まであと10分程度、しかもまだまだ先。どうやら関門を勘違いしていたらしい。結構疲れているようなので大福を一つ分けてあげた。ゴールで食べようと楽しみにしていた大福だが、こんな風に選手の役に立つのなら・・・(くーっ)。


【最後尾を必死に追う】
鍋割山を行く選手たち綾広の滝のスタッフに2人を託し、先を急ぐ。結局関門で4人リタイアであった。

しかし、私はここでリタイアするわけには行かない。15分ほど先に通過した最後尾のランナーを追わなければ・・。しかしアクバ峠はきつかった。駆け上がるどころかヨレヨレ登りを御岳スタッフの馬場さん(ケーブル御岳駅前のお土産さんの主)に目撃されてしまった。

息を整えつつ鍋割山(1084m)に向かう。このあたりは比較的走りやすいコースで、少しでも前のランナーに追いつこうとペースを上げた。

途中、KFCスタッフの浜中さんや御岳スタッフの馬場さん(駒鳥山荘の主←ハセツネ・ランナーでもある)に声をかけつつ、最後の山の“奥の院”(1077m)へ。これを下ればゴールは近い。


【追い上げ、任務完了!】
ゴールの御嶽神社を目指す選手、軽快!!山に立っているスタッフの情報では最終ランナーはやはり10分程度前に通過しているということだったので、もう追いつけないなと思っていたら、奥の院の厳しい下りでカップルのランナーに追いついた。女性の方が下りをかなり怖がっていて時間がかかったようだ。(そーなんだよね、下り怖いんだよね、と心の中でつぶやく。)下りきったところでパワーバーをあげたら元気が出たようで、2人してゆっくりと走り出した。もうすぐゴールだ。

最後の御嶽神社への階段、登山客の応援の中、2人のランナーを励ましながら登る。ちょっと先で2組のランナーに追いつく。最後はスタッフや松丸選手、それぞれの友人たちの待つ中、3組(6人)のランナーがほとんど同時にゴール。すでに時計は3時間半を経過、皆タイムオーバーで疲れ切っていたが、満ち足りた表情でのゴールだった。

御嶽神社境内のゴール地点で珍しいメダリストの缶入りをもらい、疲れきった身体にクエン酸を補充し、そして、予め決められた宿坊で温かいお風呂に浸かることができる。みたけ山大会ならではの幸せのひと時だ。


【スタッフも、また楽しや】
ゴールの瞬間!!最近ほんとうに思うのだが、仲間と一緒に参加するボランティアは楽しい。選手としてレースに参加することも楽しいが、レースのスタッフとしてコースをいろいろ考えたり、トップ選手の走りを見て感服したり、エイドなどで選手をサポートしたりするのもまた違った意味でのレースの参加であると思う。

表彰式の鳥居広場で、ロックガーデンで出会った2人の女性ランナーが寄ってきて「ありがとうございました」。なんだか嬉しかった。今年は完走できなかったけど、折角トレイルランに挑戦しようという気持ちをもったのだからトレーニングして来年また参加してね、と声をかけた。

こういう場でしか味わえない、スポーツという同じ価値観をもった人たちとのコミュニケーションが私の生活の大切なスパイスとなっているのだ。


さて、これで今年のみたけ大会も無事に終了となりました。では、皆さん、来年も年の瀬は「みたけ山」でお会いしましょう。

【リザルトはこちら



後援:青梅市、大多摩観光連盟
助成:(財)東京市町村自治調査会多摩交流センター
協賛企業:京王電鉄梶A葛梔、アートマン、葛梔、プラザホテル八王子、潟激Xトラン京王、佐藤スポーツ、パワーバー、ネイサン、メダリスト
写真提供:馬場しんご