イベント報告
第10回みたけ山トレイルラン
10th Mt. Mitake Trail Run
2009年12月13日
参加レポート 原広志

第10回と記念の節目となる「みたけ山トレイルラン」に参加しました。昨年は雨の中の寒いレースとなってしまいましたが、 今年は朝日が眩しい開会式会場のケーブルカー滝本駅駐車場です。

今回はエントリー数が1,200名(うち女性約200名)を超え、この大会がトレイルラン・レースの1年を締めくくる人気レース として定着したことが伺えます。スタート時間は、2ウエーブで9時30分と9時40分です。

ウオーミング・アップは、毎年定番となった美しい3人娘?による優美さと気合に溢れたエアロビクスで始まりました。この時点で 開会式場の駐車場は、所狭しとダンスする選手達の熱気で一気にヒートアップしました。

第1ウエーブは9時30分に太鼓の音に後押しされスタート、3kmの急坂を表参道まで登ります。登りきり表参道を御岳平へ 向かうと、ケーブルカーで上がってきた人たちがすれ違いに応援してくれました。御岳平で給水を受け大塚山上り口へ向かう分岐点に 着くと、すでに大塚山を走ってきた宮地藤雄さんとすれ違いました(速っ)。

大塚山上り口までの下り(かたくり群生地だそうです。)は、日陰でぬかってはいましたが走りやすかったです。大塚山山頂に 上ると一気に視界が広がり御岳山方面の景色がよく見え、ビジターセンター前までの下りを気持ちよく走れました。

宿坊群・お土産屋群・山門へと抜けるときには、大勢の地元の方々・登山客の方々が声援を掛けてくれ元気をもらいました。 長尾平・ロックガーデンへと続く下りは走っていて気持ちがよくハイの状態となり、先行する女性選手に道を譲ってもらいました。

天狗岩を左手に見つつロックガーデンへ下りると、景色(渓流・綾広の滝、等)は素晴らしく早歩きしていると、カメラマン の小野口さんがカメラを向けているのに気づき早速に作り笑いをする。

芥場峠をゼーゼーと這うように登っていると、先ほど道を譲ってくれた女性選手が後ろから一気に抜いて(最近の女性選手は 綺麗・速い人が多い、天は二物を与えてしまった)余裕で鍋割山へ向かっていきました。

鍋割山頂上までの尾根道(視界が広がり奥多摩方面の景色がよく見える)・山頂からの下り・奥の院までの尾根道が気持ち よく走れた。奥の院からの急な下り(追い越し禁止)では皆慎重に下っていました。下る途中にカメラマンが、(小野口さんであった。 速っ・もうロックガーデンから走ってきたんだ)激写中でした。

残りの2kmは平坦そうに見えるが緩やかな登りで、長尾平を右に見ながら歩きと変らない速さで走り、後続の選手に どんどん抜かれる。ゴール手前の御嶽神社の階段は歩いて上るのが精一杯の状態で、1時間38分44秒でどうにかゴール。

ゴール後、荷物を預けた高名荘でのお風呂はありがたく、ホッとし幸せな気分になりました。主催者スタッフの皆様・ボランティア の皆様、どうもありがとうございました。

■KFC徒然

本大会も第一回大会を立ち上げてからすでに10年の年月が経った。しかしこれだけ同じ場所で同じことをやっていても反省点は次から 次へと出てくるものだ。

今年は約1000人の選手が出走した。安全対策として、500人づつのウェーブスタートにしたが、これがイマイチ良くなかった。 10km過ぎてからの細いトレイルに入ったところで、第2ウェーブの速い選手たちが、10分前にスタートした遅い選手たちを次々と パスして走らねばならないからだ。これだと第2ウェーブの選手はタイム的には不利だし、パスに伴う危険もある。

この対策として、次回からは申込時に申告制を採用し、速い選手から順に前方に並んでもらい1000人の一斉スタートにする予定だ。 これだと後半の細い道に入る頃には走力に応じて選手の細長い列ができスムーズな流れになるはずだ。

直接、本大会とは関係ないが、最近ちょっと気になっていることがある。

近年のトレイルランナーの増加に伴って同じハイキングコースを共有するハイカーとの軋轢が多いと聞こえてくるが、本当だろうか。 それは箱根や高尾山という一部の有名な観光地だけでのことではなかろうか。

通常、そこにあるハイキングコースはその地域の行政 や地元ボランティアの手によって整備され、維持管理されている。そのハイキングコースをその地域外からやって来た企業団体が大会に 使うから 軋轢がおこるのではなかろうか。少なくとも我々が関係している御岳山、高水山、小菅村に関しては、それはない。

本大会はみたけ山の秋の観光シーズンが終わった時季に、我々KFCと御岳山の人たちが中心となってやっている。普段からこの辺り の山道の整備や維持管理も我々がやっている。特に、大雨や強風の後はたいへんな作業だ。

因みに、アクバ峠から奥の院までの尾根道は、それまでハイカーもほとんど歩かない山道で、 周りの草で覆われてしまっている部分が何か所もあった。草刈りをし、大会に使うようになって道幅も広がり、山道らしくなってきた。そうなると 初めてハイカーも歩くようになる。

さらに奥の院から下る急坂も木々に覆われて、元あった道が完全に消えていた。それを御岳山の住民と我々とで大会用に整備し、復活させた。 その結果、今では立派なハイキングコースとなり、普段からもハイカーたちが歩いている。

高水山大会でも同じことが言える。12年前に大会を始めた時はスタート地点から約3km奥 にある三叉路から先の山道は路面が草で覆われ、 ハイカーも立ち入らず鬱蒼とした雰囲気が漂っていた。道端の雑草に浸食され、道幅が10〜20cmほどしかなく、山道として は死んでいた。

しかし、大会を初めて、我々が整備をし、 ランナーが練習に走るようになってからは路面が踏み固められ、道幅が広がった。その結果、ハイカーも歩くようになり、今ある立派なハイ キングコースになった。

また、高水山大会に関しては、全コースの約50%が草木に覆われ、誰も立ち入らず、消滅していた昔道だった。 それを我々が草を刈ったり、土を持ったり、補助ロープを張ったり、ハイカー誘導用に道標を設置したりして復活させたものだ。今では大勢のハイカー も普通に使うようになっている。

昨年から始めた小菅村の多摩川源流トレイルランのコースも大部分が、正確には松姫峠の尾根道以外は人が通らず死んでしまっていた昔道を 力技で復活させたものだ。山道というものは人が通らないと、あっという間に消滅してしまうものだ。自然はなかなか逞しいものだ。

年間を通して、大勢の人が歩くハイキングコースはごく限られた有名な一部観光地だけだ。日本全国どこにでも、そんな軋轢があるとは思えない。

何はともあれ、この大会をもってKFCの2009年度のスポーツイベントは全て終了しました。では、皆さん、来年も、年の瀬はみたけ山でお会いし ましょう。

【レポート・フォト】
【Special Thanks】

後援:青梅市、大多摩観光連盟

協賛企業:京王電鉄梶A葛梔、アートマン、葛梔、プラザホテル八王子、
     潟激Xトラン京王、佐藤スポーツ、ネイサン、JSBM

写真提供:小野口健太、鈴木裕二、馬場新吾