イベント報告
第3回東京ヒルクライムOKUTAMAステージ
2011年7月10日(日)
3rd Tokyo Hillclimb Okutama Stage !!
■KFC徒然
【OKUTAMAステージの宿命】

夏まっ盛りの7月10日に奥多摩夏の風物詩「第3回東京ヒルクライムOKUTAMAステージ」を開催した。大会前日に梅雨明け宣言があり、 天気を心配することなく、高山特有のさわやかな涼しい空気の中で開催することができた。 下界は猛暑でも、標高が1000m近くある奥多摩周遊道路の朝はマイナスイオンが溢れ、気持ちがいい。

この大会は奥多摩周遊道路の夜間通行止めの時間帯を利用して開催しているため、スタート時間は朝6時という早い時間に設定しなくてはならない。 その代わりレースのために100%専有できると云う特権がある。

また、この奥多摩周遊道路は東京都西多摩建設事務所の手で年間通して整備されており、 路面状態だけでなく、周囲の環境も素晴らしい。おそらくこれほど整備されたコースを持つヒルクライムレースは他にはないだろう。

【初の試み、当日朝の受付】

早朝の4時過ぎには大会会場の川野駐車場も明るくなってきた。気温は20度くらいだろうか、さわやかだ。

今年は、前日受付だけでなく、 当日朝の受付にもトライしてみた。受付時間を04:30〜05:30に設定し、約200人の受付を行った。短時間にスムーズにこなすために ゼッケンカードの手渡しだけにし、時間を要する参加賞渡しは競技終了後のアワードパーティ会場で渡すことにした。 結果は、計画通りスムーズに行き、スタート時間に支障のでることはなかった。

しかし、来年からはこれまで通り、前日1日だけの受付に戻すことにするつもり。なぜなら、大会運営のKFCスタッフの朝がより早くなり、 緊張時間も長くなり、スタッフへの負担が想像以上に大きいと感じたからだ。もし、睡魔で行き帰りに事故でもあれば大変だ。

毎回、少数精鋭の運営を常としているKFCスタッフは皆優秀で、責任感も強い。 遅刻など決してないし、 任された仕事は責任を持ってこなす。それゆえ、朝に受付をするためには、これまでより2時間ほど早く起きなくてはならない。それでなくても OKUTAMAステージ開催日の朝は早いというのに・・・。その上、6時のスタート時間に支障が起こらないよう受付業務の混乱は許されない。そんな 精神的なプレッシャーが重くのしかかる。なぜなら、9時になると一般車両が奥多摩周道路に侵入してくるからだ。

【不思議に思うこと】

競技はオンタイムの6時に開始される。以前にも書いたことだが、ヒルクライムレースのスタート時の風景について、いつも不思議に思うことがある。

それは、スタート15分前になってもスタート地点にスタンバイしている選手は疎(まば)らで、こんな状態でオンタイムにスタートできるのかと不安になる。 しかし、心配は無用、 スタート時間になると、どこからともなく湧くように何百人もの選手がバイクに乗って集まって来る。そして、 決められた場所にキッチリ整列しているのである。「やる時はやる」と云うことか、さすがに競技者。この光景にはいつも感心させられる。

【有難い評価】

06:00に第1ウェーブの100人が一斉に山頂ゴールを目指してスタートして行く。その後、2分置きに第2ウェーブ、第3ウェーブと続いて スタートして行く。 この2分間隔と云うのが絶妙の間合いで、ウェーブ毎の緊張感が途切れることなく、また、しばらく進めば、先発の集団とも交わることができるという スタート方法だ。

06:30頃にはトップ集団はゴールし、その後、後続選手が次々とゴールゲートをくぐり抜ける。そして、最終選手も7時過ぎにはゴールし、競技は終了となる。 準備には多くの時間と労力を要すが、一旦、競技が始まってしまうと「あっ」と云う間に終わってしまう。夏の花火のようなものだ。

最終ウェーブがスタートすると同時にスタート会場を片づけに入り、最終選手がゴールすると同時にゴールゲートを解体して片づけてしまう。 そして、07:30には奥多摩周遊道路から競技を開催したという痕跡はすっかりなくなってしまう。これを見た参加者や関係者から 「手際がいいねぇ、まるでマジックのようだ。」とお褒めの言葉を時々頂く。有難い評価だ。

【思いもよらない出来事】

今年は思いもよらない出来事が起こった。脱水症に陥った選手が2人もでたのだ。

真夏と云っても、標高1000mの山の上、しかも、 涼しい早朝の時間帯で、わずか1時間ほどのレースで脱水症に陥った選手が2名もでたのだ。

なぜ、こんな涼しいレースで・・、 しかも、こんな短時間の間に・・?と疑問がわく。これまで100本を超えるレース運営経験のある我々でも初めての出来事だ。 南の島の炎天下で開催しているトライアスロン大会ではよくあることだが・・・・。

おそらく、レース中に脱水症状に陥ったのでなく、前日の飲酒か何かの原因で、すでにレース前に脱水症状が始まっていたのだろう。 夏のスポーツには脱水症は付きもの。脱水症は死に直結する怖い病気だが、 その予防は至って簡単。今後のため、こちら「Dial 911」をご覧ください。

【檜原村から】

今年は檜原村役場教育委員会から2人の職員が早朝のスタート時から大会の模様を視察に来られた。そして、レース後のアワードパーティー会場で                     参加費免除の権利を5名の参加者へプレゼントして下さった。

というのは、10月2日(日)に檜原街道と奥多摩周遊道路を使った 「第1回東京ヒルクライムHINOHARAステージ
」(檜原村ヒルクライム)大会を開催するからだ。そして、 その競技の運営に関して我々KFCトライアスロンクラブがお手伝いすることになっている。

その経緯は、6月初めに檜原村教育委員会から突然電話があって、檜原村でもヒルクライムレースを開催したいので、 経験とノウハウを持っている我々に立ち上げから競技運営までを手伝って欲しいという依頼だった。それを受けてのことだ。

【After Race】

表彰式(アワードパーティ)は9時から「山のふるさと村」敷地内にあるレストラン「やませみ」の裏庭で催した。 この空間は緑に囲まれたリラックス空間で、レース後のアワードパーティには持って来いの場所だ。

そして、パーティでのご馳走は、 今年も「やませみ」にお願いした。 毎年、選手の皆さんに喜んでもらえる料理を、といろいろ考えて作って下さっている。感謝!

また、今年はプロのヒルクライム集団「VAX RACING」のオープン参加があり、レースを盛り上げてくれた。そして、 表彰式のセレモニーの始まる前の時間帯を利用して、参加者と質疑応答形式でクリニックを開催してくれた。レース戦略とか、トレーニング方法とか、 食事とか、体脂肪率とか・・ 皆さん思い思いの質問をされていた。

今年の優勝者は安定した実力者の乾友行選手(竹芝レーシング)と金子広美選手(イナーメアイランド信濃山形)でした。 レース結果は下記をご覧ください。

8月20日発売の自転車雑誌「funride」にカラーページ(119〜121P)で大会の模様が掲載されています。ライターはレースにも参加した編集部の ハシケンこと橋本謙司選手(総合19位)、写真はセンス抜群のKFC御用達カメラマン、小野口健太プロです。

最後に、OKUTAMAステージも今年で3年が過ぎたので、来年はこれまでの経験を生かして進化させたい。団体戦なども加え、より楽しい、 よりエキサイティングなレースにしたいと考えている。それでは、来年の夏も東京のオアシス、奥多摩周遊道路でお会いしましょう。

【レポート・フォト】
【Special Thanks】

最後に、OKUTAMAステージ開催に当たって、ご尽力、ご協力頂いた以下の方々に感謝したいと思います。

東京都、奥多摩町、東京都建設局西多摩建設事務所、青梅警察署、山のふるさと村、レストラン「やませみ」、奥多摩消防署、 小菅村東部森林公園キャンプ場ほうれん坊、小菅村、トライスポーツ、明治乳業(VAAM)、

写真提供:小野口健太、舘岡正俊、 池田将、市川幸次、西田光男、斉藤文子