イベント報告
第22回ロタブルー・トライアスロン
2015年11月7日(土)
22nd Rota Blue Triathlon
■KFC徒然

11月7日(日)、北マリアナ諸島ロタ島で上記の大会を開催しました。

22年目にして、一区切りにしようと決めた今年、1月に就任した新市長エフレン・アタリックの下での初めての開催です。

新市長と云っても彼との付き合いは 20年程と長く、役所の上級職員として、ずっとトライアスロンを支えてきてくれた一人です。また、 過去には現地大会実行委員長を務めたこともあります。 そんな事情から我々KFCのことも、トライアスロンのことも、さらに、 いつ何をすべきかをよく心得ています。

【ロタ島入り】

準備のため約1週間前の10月31日(土)にロタ島に入りました。直ぐに感じたのは、目に入る島の風景が綺麗(クリーン)なことでした。 道路脇の草はきれいに刈ってあり、ゴミも全く落ちていません。小さなゴミひとつ落ちていないのです。

さらに、テテトビーチなどの観光スポットもシャワー等々が整備されており、もちろん、クリーンでゴミは落ちていません。過去、島中がこんなに クリーンにキープされていたのは初めてのです。良い意味でのサプライズです。

【恒例のKick-off MTG】

週明けの月曜日朝一(9時)に市庁舎へ恒例のキックオフ・ミーティングに出向きました。そして、市エフレン長と一緒に会議室へ入ると、 すでにトラフィックコントロール担当の警察官、エイド担当者、welcome部門担当者等々の各部署のスタッフ10名ほどが集められ、会議の席について、スタンバっていました。

日本を発つ前に市長へスケジュールを 送っておいたので、それに従ってのものです。それにしても変です。普段、ゆる〜い島民たちにしては、 全てにおいて余りにもテキパキ過ぎます。

おそらく今年が最後のトライアスロン開催にしたいと通知しておいたからでしょう。粗相なく、しっかりやって、来年からの新イベントに つなげたいと思ったのでしょう。皆、一様に緊張の様子です。もし、粗相が原因で、来年から新イベントがなくなり、我々が来なくなることを恐れているのが 痛いほど伝わってきます。

なぜなら、元来、ロタ島民は超が付くほどの親日派だからです。日本人大好きなんです。それなのに現在日本人との付き合いは トライアスロン大会しかないと言っても過言ではない寂しい状況にあります。

【新市長で捲土重来なるか?】

ほとんどの準備はできており、そのため確認事項だけでミーティングはあっという間に終わりました。実際に我々KFCと顔を突き合わせてMTGすることが重要なのです。 そして、このMTG終了直後から、皆スイッチが入ったように準備作業にかかります。午後からダンプカーや重機が動き出し、島が騒がしくなります。

帰り際、市長に「島がクリーンに感じるんだけど、何で?」と尋ねてみました。 そうしたら、選挙公約の一つが島をクリーンにキープすること、と云うことでした。納得ですが、1年も経っているのに選挙公約を 守っているのが、この島では稀有なことです。

また、島中のハエを絶滅させるため、昔から山の中腹にあるゴミ捨て場を大改修したと云う。これによって、島はクリーンになり、 フェデラル(米国政府) から島へ工事費が支払われ、一石二鳥という訳です。マリアナでは、ゴミ捨て場や生活道路と云った必要不可欠な インフラ工事にはフェデラルから 全費用が支払われることになっているからです。

エフレンは20年以上に亘って、歴代の市長に仕えたので、多くを学んだのでしょう。役人時代は目立たない職員でしたが、かつてない 素晴らしい 市長になるかもしれないと感じました。いよいよ捲土重来なるか?

因みに、捲土重来(けんどちょうらい)とは、一度戦いに敗れたものが、再び勢いを盛り返してくることです。 ロタの経済復活、すなわち、多くの観光客が来島することです。そして、それを願って、数年前から大会Tシャツにプリントしている言葉です。

【最後のトライアスロン】

今年はロタ滞在中ずっと良い天気に恵まれました。海のコンディションも上々です。試泳も本番も、 時々スコールはあるものの 申し分のない天気でした。だから、ロタ大会初のドローンによる空撮も上手く行きました。

また、大会会場や各エイド にも例年より多くの島民たちがスタンバっており、もちろん、バーベキュー・エイドも健在でした。

今年も6時半のオンタイムにスイムスタートしました。過去にスタート時間を変更したのは、第9回大会の一度だけです。この年は波が高く、 スイムを中止にしたためです。因みに、スイムを中止にしたのは22年間で海が荒れた2002年の1回だけです。

51.5部門の総合優勝は白戸太朗選手(2:18:30)、2位は宮塚英也選手(2:23:17)でした。このランキングは、奇しくも1994年の 第1回大会と 同じです。彼らも22歳年を経たのですが、まだまだ元気です。

70.3部門の総合優勝は伊藤毅志選手(5:18:04)、2位は、何と女子の 芦川紘子選手(5:54:43)でした。また、視覚障害を持ち パラリンピックを目指されている中澤隆選手が、関口秀之さん(青山トライアスロン倶楽部) の伴走で、ミドルタイプを見事完走(7:05:01)されました。

レースの模様は下記レポートフォトをご覧ください。

【最後に】

すでにご存じのように、今年の第22回大会を以って、ロタ大会は中止します。原因は、いつまでも改善されないロタ島へのアクセスの 悪さです。すなわち、コスト高のチャーター便を使わなくては大会ができないこと、それに伴うツアー代金やバイク搬送費の高さ等々です。

それ故、参加者の皆さんの 負担増や我々運営面での負担増、さらに、チャーター便ゆえに、滞在日程にも自由が効かないと云うストレス。 これらはロタ政庁や我々KFCでは どうすることもできない問題で、なかなか改善の兆しが見えてきません。

トライアスロンがなくなることで、寂しがるロタ市長や島民に対し、来年からはOWS(オープンウォータースイム)とアクアスロンでロタ島との付き合いを継続して 行くと約束しました。これらのイベントは自転車が不要なので、コストの高いチャーター便は不要となります。

そして、身の丈に合った規模の大会をします。当然、ロタは離島なので、一時に大勢がスムーズに移動するためにはオフィシャルツアーは必要となりますが、 自ずとツアー代金も現行の半額以下、10万円そこそこになると思っています。

そして、デイリーの定期便を使うと云うことは、滞在日数にも自由が効き、アフターレースに島内観光やダイビング、 それにフィッシングやゴルフ等々も楽しんで頂けます。 もし、近い将来、かつてのようにカーゴ便の定期運航が始まれば、 それを利用して、トライアスロンの再開もあり得ます。

すでに市長やダイビングショップとは来年に向けて話し合っています。極上の海 ロタブルーと濃い緑のジャングルを使って、 皆さんをあっと 驚かせられるような世界一楽しいイベントになるように練っています。タイトルは 「ロタブルー・オーシャンスイム&アクアスロン」の予定です。

こんな事情で、来年はトライアスロンではないですが、ロタ島民と一緒に楽しい大会にしますので、ぜひ、皆様のご参加をお待ちしています。

【レポート・フォト】
【Special Thanks】

MVA / Rota Resort & Country Club / SIRENA / Mark Michael / RUBIN / Blue Palms / Aqua Gift Shop/ Bay Breeze Restaurant & Bar / JSBM / TRI-SPORTS / PAGE ONE / System Clinic

写真:小野口健太, 舘岡正俊, RUBIN, Blue Palms