イベント報告
第15回Lafuma青梅高水山トレイルラン
15th Lafuma Ome Takamizu Trail Run
2013年4月7日(日)
■KFC徒然

4月7日(日)、第15回Lafuma青梅高水山トレイルラン大会を開催しました。7日が第1週目の日曜日というのは、15年目にして、 初めてのことかもしれません。

その所為か、スタート会場の桜はほとんど散ってしまっていましたが、標高の高い山の方のコース脇は満開状態でした。 こんなことは初めてのことです。

しかし、すべてが順調と云う訳にはいきません。いつの大会においても、開催時には大なり小なりの問題は起こるものです。 この度も然りでした。 何の問題もなく大会を開催できることはほとんどありません。

【爆弾低気圧襲来!】

大会の数日前から各テレビチャンネルの天気予報が一斉に「週末には爆弾低気圧襲来!」と告げ、過去の被災シーンを映し、 大々的に注意を促していました。ピンポイントで7日に爆弾低気圧が襲って来るというのです。

そんな事情で、 世間的にイベントの開催が危ぶまれていました。

これを受けて、一部の参加者から開催有無の問合せが寄せられたり、中止を懇願する電話があったりで、2日前から携帯が 鳴りっぱなしでした。2年前、3・11東日本大震災直後、世間の自粛ムードに反し、 本大会開催を決行した時のことを彷彿させられました。

それにしても天気予報の冷静さを欠いたワイドショー化は如何なものでしょうか。

【誰もが納得できる判断を】

加えて、2日前の金曜日の時点で、その日が快晴であるにも拘らず、早々と中止発表をしたマラソン大会も幾つかありました。

これを知った時、「えっ!」と思いました。2日も前に中止発表ですか?・・・信じられません。

レースに向けて練習や試走を積んでこられた多くの参加者、コース整備など一年間を通してコツコツ準備してきた我々KFC、 この大会に携わる地域の人たちの気持ちを思うと、そんな簡単には中止の決定は出せません。

それにトレランはトライアスロンの様に海で泳ぐ訳でもなく、大勢のスタッフに安全を確保された陸上のコースを走るだけですから。

この度の様に、白黒がつけられない天候が原因で、競技の中止や変更の決断を迫られた時、いつのタイミングで発表するのかは、非常に重要で、 これを誤ると、スタッフや参加者に混乱が生じてします。だから、この点にはいつも神経を使います。

このようなケースは、ぎりぎりの時点まで状況を見て、誰もが納得できる正しい判断をしたいと常々思っているのと、 大会日以降、月曜日からは晴れが続くという天気予報だったので、なおさら、ぎりぎりの時点まで様子を見ようと思っていました。

過去の経験から天気予報と云うものは、大体が前倒しに推移するものですから。

【やれやれ、みな安堵】

皆の願いが通じたのか、大会日早朝(午前1時頃)には雨が上がり、開会式の時点(午前9時)で強烈な日差しが射してきました。

開会式には、今年も、竹内俊夫青梅市長、ラフマミレー鰍フ田村真人副社長にご出席頂きました。

しかし、例年 ご出席頂いている井上信治衆議院議員は 安倍政権で環境副大臣と云う重要ポストに就かれたため、多忙で、秘書の方のご出席となりました。 また、都議会議員候補の野村有信先生も秘書の方のご出席を頂きました。

恒例のエアロビクスの頃には気温もぐんぐん上がってきました。前日に中止発表をしなくて、正解でした。 もし、中止にしていれば、非難ごうごうだったでしょう。

また、我々スタッフも地域の人たちも悔しい思いをされたに違いありません。

今度は一転して、レース中の脱水症を心配しなくてならない状況になりました。ホントに一寸先は分からないのもです。 スタート前の競技説明では、脱水に陥らないようにと注意を促しました。

しかし、結局、ゴール手前で2人のランナーが脱水症に 陥りました。でも、軽度だったのでスポーツドリンクで回復しました。最近のスポーツドリンクは侮れないと思いました。

【3・11のトラウマ】

今でも、4月初め開催の本大会が近づくと、あの忌まわしき3・11東日本大震災の記憶が鮮明に甦ってきます。

我々は本大会を通して、 2011年3月11日から向こう10年間は鎮魂のための黙とうと募金活動という被災地支援は続けて行こうと決めています。

過去2年間は、とにかく被災地に義援金を送ることしか考えていませんでした。2011年は日本赤十字社へ、2012年は被災地に出向き 地道な活動をされている「復興地に学ぶ会」を通して、 寄付を行ってきました。

しかし、今年は首長恐竜ファミリーの被災地巡回展示活動の費用に充当するための募金活動をすることにしました。これまでと違って、 最初から使途を明確にして、募金を集めることにしました。

【子供が笑顔になると、大人も・・・】

昨年、我がKFCメンバーの鍛鉄工芸家西田光男さんが 「子供が笑顔になると、大人も元気になる。」という考えの下、 秩父にある彼の工房「PAGE ONE」で、1年がかりで首長竜3体(TARO、ICHORO、KAZUKO)を制作しました。

そして、168世帯が暮らす陸前高田市の仮設住宅オートキャンプ場『モビリア』を皮切りに、 昨年3月から12月までの10ヶ月間に亘り、被災地に点在する幼稚園や仮設住宅など、子供たちが大勢いる場所に 恐竜の巡回展示 という鍛鉄工芸家ならではの活動を続けました。

もちろん、西田さんの手弁当です。誰もがマネできることではありません。

【恐竜のスーパーインパクト】

昨年4月に大西と原さんも1泊で気仙沼市唐桑地区での展示活動の手伝いに行きました。さすが恐竜のインパクトは凄い! 子供たちには大人気です。

それに、触っても、よじ登っても良いと分かると、顔や尻尾を撫でる子供たち、背に乗ろうとよじ登る子供たち・・・。 まるでアリが飴玉に群がるよう・・、遠目からは、どこに恐竜があるのが分からないくらいです

因みに、これらの恐竜はどの方向から子供たちが乗っても、押しても、決して倒れないように設計されています。

【時間と労力と費用を要す恐竜巡回展示】

被災地域が広範囲であり、できるだけ大勢の子供たちを喜ばせたいと願い、1か所での展示期間は約2週間としました。そして、 昨年は気仙沼や石巻など約20か所の被災地に巡回展示しました。

結果、予想以上に大勢の子供たちが喜んでくれ、 大人たちも元気づけることができたと手応えを得ました。今年も活動再開を予定しています。

そのためには、2週間毎に秩父(埼玉県)から東北まで出向かねばならず、交通費や宿泊費やレンタカー代など相当の費用を 要します。だから、今年はその費用の一部を大会会場で募ることにしました。

【イマイチだったサプライズ展示】

募金をお願いするからには、その恐竜ファミリーがどんなものなのかを皆さんに見てもらおうと思い、会場に展示することにしました。

せっかくですから、皆さんを驚かそうと思い、前日に設置し、ネットには流さず、サプライズ展示にしました。

しかし、 ワイドショー的な天気予報に翻弄され、募金活動はイマイチ影の薄いものとなってしまいました。

また、当日、会場にやってきた東京国体「スポーツ祭東京2013」のマスコットキャラクター「ゆりーと君」も子供たちと一緒に 恐竜の背に乗ったりして、秋の国体のプロモーション活動をしていました。

因みに、青梅市では、御岳渓谷特設カヌー競技場で、 東京国体の正式競技としてカヌー競技(スラローム、ワイルドウォター)を10月4日(金)〜10月7日(月)に開催します。 また、 デモンストレーションとしてのスポーツ行事として「ビーチボール」を開催します。

また、我々KFCは9月29日開催の東京国体自転車競技(ロードレース)を檜原村の一員として、その運営をお手伝いします。

結局、大会会場で募った被災地支援の募金は71,338円でした。内訳は、毎年募金活動に協力してもらっている足ふみマッサージ 「フーレセラピーあしあと」の施術料金48,000円、 それに、募金箱への 募金額が23,338円でした。

5月12日開催の「第3回TOKYO成木の森トレイルラン」大会でも、引き続き恐竜巡回展示の募金活動をしますので、 ご協力の程、よろしくお願いします。

【東京トレランシリーズ全4戦】

今年から始めた東京トレランシリーズ全4戦のシリーズ・チャンピォンは春夏秋冬の4大会の獲得ポイント合計で決定されます。 各大会において、優勝は10ポイント、2位は9ポイント・・10位は1ポイントとなります。

男女各シリーズ・チャンピォンは最終戦の冬季大会「第14回みたけ山トレイルラン」 表彰式会場において、 シリーズ・チャンピォン認定証と 記念品が授与されます。また、翌年から本大会が続く限り、シリーズ全4戦ともに参加費が免除になります。

因みに、第1戦は「第15回Lafuma青梅高水山トレイルラン」(春季大会)、 第2戦は「第3回TOKYO成木の森トレイルラン」(夏季大会)、 第3戦は「第5回多摩川源流トレイルラン」(秋季大会)、 第4戦は「第14回みたけ山トレイルラン」(冬季大会)です。

【レース結果】

30q部優勝者は荒木宏太選手(東京都)2:07:54、女子は山口季見子選手(東京都)2:41:04。

15q部優勝者は宮地藤雄選手(東京都) 1:06:51、女子は小田有希子選手(東京都)1:28:43でした。

これらの皆さんは全員10ポイントを獲得されたことになります。 さて、初代の東京トレランシリーズ・チャンピォンは誰が獲得するのでしょうか?

レースの模様は、”百聞は一見にしかず”で以下の「レポート・フォト」をご覧下さい。

では、皆さん、来年も桜の季節に青梅丘陵でお会いしましょう。

【最後にちょっといい話】

一昨年、東日本大震災の影響で、急きょ、参加をキャンセルされた仙台の高橋明さんが、今年は参加されました。

高橋さんご自身やご親戚の生活もたいぶ落ち着いたて来たと云うことです。 2年ぶりに高橋さんにお会いして、確実に東北は復興しているという実感を得ました。本当に良かったと思います。

しかし、問題なのは悪化の一途を辿っているフクシマ原発の現状です。「覆水盆に返らず」、汚染地域はどう手を尽くしても 元に戻ることはなでしょう。除染の現状、然り。 政府も東電も、勇気を持って、本当のことを発表し、 一刻も早く、次のステージに進む方が良いのでは・・。

【レポート・フォト】
【Special Thanks】

青梅市(後援) ラフマミレー梶@高水山常福院 成木7丁目自治会 成木8丁目白岩自治会 成木8丁目栗平地区  一般社団法人里仁会 賢治の学校 青梅山林災害対策協議会 東京都森林組合青梅事務所 佐藤スポーツ Raidlight  トライスポーツ、西東京市役所トレランクラブ

写真提供:小野口健太、小関信平、舘岡正俊、西田光男、中村清隆